フランス語由来のベトナム語と目玉焼きの謎

ベトナム語は、1000年以上に渡る中国からの支配の影響で漢字由来の単語がとても多いですが(これは私たち日本人がベトナム語を学ぶうえでとても有利に働きますが)、フランス植民地の影響でフランス語からそのままベトナム語として定着した語彙(主に名詞)も多数存在します。本サイトの『ベトナム語を知る10のこと』ページでも紹介していますが、cà phê(カ~フェ)【café/珈琲】 、sô cô la(ソコラ)【chocolat/チョコレート】のように音を聞いてすぐにピンとくるものが多く、フランス語由来の語彙を探すのもまた楽しいベトナム語の勉強でした。他にもpho mát(フォーマッ)【formage/チーズ】、xà bông(サボン)【savon/石鹸】、bánh(バィン)【pain/パン】などをよく目に、耳にしました。

…と、フランス語由来のベトナム語についていろいろ調べていたら、こんなサイトを見つけました。ベトナム語のページですが、タイトルは『ベトナム語におけるフランス由来のいくつかの名詞』という意味で、「パート1」「パート2」「続き、終了」という三ページからで成っています。

Một số danh từ gốc Pháp trong tiếng Việt (phần 1)
Một số danh từ gốc Pháp trong tiếng Việt (phần 2)
Một số danh từ gốc Pháp trong tiếng Việt (tiếp theo và hết)

私的大発見は、ốp la(オップラー)というベトナム語が【au plat/皿の上の】というフランス語に由来していることでした。これは、大好きなバインミーの種類のひとつ、bánh mì ốp la(バインミーオップラー)を注文するときによく見かけていました。目玉焼きにした卵をバインミーに挟み込んで食べるというシンプルな、でもとっても美味しいものなのですが、以前から「オップラーってどういう意味なんだろう、卵はtrứng (チュン)だけど…???」と疑問に思っていたのでした。ベトナム語的に正確に表現すれば、trứng ốp la(皿の上の卵=目玉焼き)となるかもしれませんが、ốp laだけでも十分に「目玉焼き」を表現している、ということなのだと思います。例えば「卵焼き」ならtrứng chiên(チュン・チェン)という単語を使い、「目玉焼き」とは区別しています(chiênは「揚げる」という意味で使われます)。「目玉焼き」をフランス語由来の単語で呼ぶベトナム語、もしかして植民地以前は目玉焼きという食べ方自体がベトナムには存在していなかったのかしら?なんて、想像を膨らませています。

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筆者がよく朝食に食べていたバインミー(右下)です。中身は見えませんが「オップラー」が挟まれています。これで約1万ドン(約50円)でした。

では、そもそもフランス語ではどうして目玉焼きを「皿の上の卵」と呼ぶのだろう…と疑問に思っていたら、今度はこんなサイトも見つけました。

目玉焼きはお皿で作る―平塚徹教授(京都産業大学)

目玉焼きは本来はフライパンで作らないということ、そしてフランス語の「plat」がそもそもどんなものでどんな役割を果たしているのか…などについて言及されています。非常に興味深いです。楽しく拝読させていただきました。

すでに知ってはいるけれど、フランス語由来だとは気づいていないベトナム語、まだまだたくさんあるんだろうなぁと思います。これからもそれらを見つけては確認していく作業をしていきたいです!

From Hem

“フランス語由来のベトナム語と目玉焼きの謎” への2件の返信

  1. 本当に言葉って奥が深いですよね。だからこそ面白いのですね。日ごろ使っている言葉でも、改めて辞書に当たってみると思わぬ大発見てこともありますね。これからも新ヘム日記楽しみにしています。

  2. 吉永さん、コメントをありがとうございます。本当に、思わぬ大発見が日々あります。吉永さんの大発見もぜひまた教えていただきたいです。今後ともベトナム語を通して、どうぞよろしくお願いいたします!

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