美しさの再構築

本サイトの「勝手に翻訳シリーズ」では趣味で翻訳したものを掲載しています。

最近こうした翻訳作業を通して再認識したこと、それは、翻訳という作業は(特に自分から作品を選んで行う翻訳は)原文に感じた美しさを別の言語で再構築することなのではないか、ということでした。少し前、インスタにも投稿していた内容ですが、あらためてここに掲載してみます。

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【そのときは彼によろしく】

nếu…〔ネウ〕もし〜なら
gặp〔ガッ〕会う
người ấy〔ングオイ〕その人
cho tôi + V〔チョートイ〕私に〜させてください
gửi〔グーイ〕送る
lời〔ローイ〕言葉
chào〔チャオ〕あいさつする
*gửi lời chào で「あいさつの言葉を送る」→「よろしく伝える」

美しい日本語が、美しいベトナム語に(その逆も然り)訳されているのを見るときほど、言語を勉強してよかったなぁと思うことはありません。ここでの「美しさ」は極めて主観的な感覚なのですが…

市川拓司著「そのときは彼によろしく」。長澤まさみさんと山田孝之さんで映画化もされましたね。私はこの「そのときは彼によろしく」という日本語タイトルの語感がとても好きだったのですが、ある日ホーチミンの書店でそのベトナム語訳(写真右)を発見したとき、ベトナム語になっても、かつて感じた「美しさ」がそのまま維持されていることに、静かに感動したのを覚えています。

直訳は「もしその人に会ったら、私からよろしくと伝えて」という感じでしょうか。訳者さんの言葉選びの素晴らしさを感じます。

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これからも自分にできることを精一杯やっていこうと思います。

From Hem