金沢旅(終)~再会

ゲストハウスもお祭りも、街並みも、そしてお目当てだった美術館でのコンサートも、満喫しすぎってくらいに楽しんだ金沢旅。これだけでも大満足なのに、実は最後にもう一つ、さらにうれしいことがありました。金沢出身・ホーチミン在住の友人Hさんの一時帰国が私の旅と偶然にも同じタイミングで、なんとなんと、金沢の地で再会することができたのでした。奇跡。

私が金沢に憧れを抱いたのは、ほとんどこのHさんの影響でした。Hさんからいつも、「ゆきさん、金沢は本当にいいところなんだよ~」という話を聞いていて、おかげで私のなかで金沢は「日本国内でいつか必ず行きたいところNo.1」になっていました。そんなHさんとタイミングよく金沢でお会いできたことが、とてもとてもうれしくて。私が参加していたコンサートが終わった時間を見計らって、21世紀美術館で待ち合わせをしました。

ホーチミンで出会った我々。日本で会うのはこれが初めてのことで、なんだか不思議な感じでした(笑)Hさんは金沢に着いたばかり、かつ、私は埼玉に帰る新幹線に乗る数時間前でもあったので、あまり時間に余裕がなかったのが残念ですが、Hさんおすすめのパン屋さんに行っておしゃべりを楽しんで、素敵な古本屋さんも教えてもらいました。束の間でしたが、楽しい時間を過ごすことができてとっても感慨深く、同時に、ホーチミン帰りのHさんの道路横断が危なっかしくてたまらず、笑いが止まりませんでした(笑)Hさん、お忙しいなか本当にありがとう。

 

金沢旅の記録はこれで終わります。こんなにうれしく心に残るひとり旅は久しぶりで(たぶん、ベトナムから帰国する前のカーマウ旅以来…)、なんだかいろいろと綴っておきたくなってしまいました。ひとりでいるからこそ伝えたくなる、誰かと共有したくなるのは本当だなぁとつくづく思います。こんな個人的な旅日記を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。金沢にはいつかまた必ず足を運ぼうと思います。そういう場所が新たにできたことが、何よりもうれしい私なのです。

From Hem

金沢旅③~美術館で音楽を

最初の記事にも書きましたが、今回私が金沢に行きたいと思ったきっかけは「旅する音楽」というイベントを見つけたことでした。私が好きでよく聴いていて、これまでにも何度かライブに足を運んでいたharuka nakamuraさんやアン・サリーさんが出るとわかり、その会場が長年憧れていた金沢であるならば、遠くてもぜひ行ってしまおう!と、今回の旅が実現したのでした。

その「旅する音楽」というライブイベントは、金沢21世紀美術館内のシアター21を会場にして行われました。土日の計四公演はそれぞれに180名限定という独立したチケットで、私は土曜のワルツ#2と日曜のワルツ#1に参加しました。整理券番号が若かったおかげで二公演とも最前列に座れ、アーティストさんに手の届いてしまいそうな席から、心ゆくまで演奏を堪能することができました。

土曜のワルツ#2は、nabowaさん、haruka nakamura LABOさん、polarisさん。初めて聴いたnabowaさんのカッコよさを知り、大好きなharuka nakamuraさん即興演奏の世界に浸り、polarisさんの「深呼吸」では歌詞が染み入ってしまいひとり号泣(笑)

日曜のワルツ#1は、CANTUSさんとアン・サリーさん。聖歌隊のCANTUSさんはharuka nakamuraさんとコラボしていたので知っていましたが、生で歌声を聴いたのは初めてで、自分は今どこにいるんだっけ?という気持ちのよい不思議な感覚に。声の力ってすごいんだなぁとあらためて思いました。アン・サリーさんの歌声は透明感があって、優しくて、でも力強くって素敵でした。ギタリストの方との掛け合いも面白く、ステージをずっと見ていたかったです。

もう、どなたの演奏も本当に素敵で、嗚呼このために来てよかったなぁ…と心から思える時間でした。何も特別なことはしていないのに、何かのご褒美をもらったみたい。会場に飾られていたこのイベントのキャッチコピー、「音楽をいいわけに、旅に出よう」にも、なんだか自分を肯定されているような気がしてしまい、終始感極まっている私でした(笑)

ところで、ライブ会場となった21世紀美術館。館内の展示を見て回ることもできましたが、これもまた楽しいひとときでした。池田学さんの「The Pen―凝縮の宇宙―」というメイン展覧会の他、市内の高校生の作品展などバラエティに富んだ催しがあったのですが、21世紀美術館という場所のなかでそれらが不思議に調和しているように感じました。私は美術にも美術館にも本当に疎いのですが、その空間にいるだけでなんだか楽しい、心地いいと感じることができたことが嬉しく、とても貴重な体験だったなぁと思います。観光客らしき人が多かったですが、きっと地域の人たちからも愛されている場なんだろうなと感じる美術館でした。

(金沢旅、次で最後です)

From Hem

金沢旅②~贅沢散歩

★ひがし茶屋街

私が描いていた金沢のイメージは、友人の話とメディアの影響なのですが、ひがし茶屋街と兼六園でした。拠点としたゲストハウスからひがし茶屋街までが歩いて20分くらい、そこから兼六園までもさらに20分くらい。途中で休憩を入れながら歩いたこの道のりも、辿り着いた先でも、とても素敵な風景が広がっていて、ただただ歩いて・眺めて・写真を撮って・時々誰かとしゃべって…という行動と時間が、こんなに楽しく尊いものだと感じられるのは久しぶりでした。





★金沢城と兼六園

これらのエリアには、修学旅行らしき中学生のグループがたくさん来ていたのですが、兼六園を歩いていると、あるグループから「学校の課題なんです」と突撃インタビューをされました(笑)富山から来たという彼らのインタビューに、兼六園で、埼玉から来た私が答えるという何とも不思議な図でしたが、妙におもしろかったです。

(金沢旅、つづきます)

From Hem

金沢旅①~拠点とお祭り

ホーチミン時代に出会った日本人の友人で、金沢出身という方が偶然にも3人いました。3人はそれぞれ、「金沢はいいところだよ~」という話を私にしてくれて、おかげで金沢という場所は私にとって「帰国したら必ず行きたいところ」になりました。素敵なタイミングで北陸新幹線も開通していました。

そんな憧れの金沢に、帰国してもなかなか行けていなかったのですが、今年になって見つけた「旅する音楽」という音楽イベントの情報。私の好きなアーティストさんが多数出るとわかって見ていたら、会場が金沢の21世紀美術館ではありませんか。いつか行きたいと思っていた金沢に、自分にぴったりのタイミングがやってきたんだ!と思い、短い旅に出る計画を立てました。この数か月、ずっとこの旅を楽しみに日々を過ごしていたくらい。そんなわけで無事に戻って来た今、先週末の2泊3日の金沢旅について少し綴ってみます。

★Blue Hour Kanazawaと百万石まつり

宿泊には、昨年金沢駅近くにできたばかりの「Blue Hour Kanazawa」を利用することにしました。一人旅だったので安く済ませられるドミトリーでいいかな、という気持ちだったのですが、ここがとっても居心地のよい素敵なホステルでした。できたばかりということもあって綺麗で清潔だし、ドミトリーも窮屈さを感じないゆったりとした造りでした。共有スペースも広く充実していて、ここに滞在したおかげで経験できたことがたくさんありました。

例えば、オーストラリアから日本観光に来ていた女性とお互いの旅のことを話したり、オーストラリアのベトナム人コミュニティについて教えてもらったり。なのに私は、英語が多少は聞き取れても自分の言いたいことが全然言い表せないもので、「ああ、英語でもっとこの人と話せたらなぁ…」ともどかしい思いをしました。でも、このもどかしさのおかげで、なんだか英語への思いが以前より切実になってきました(やっと)。あるいは、神奈川から金沢に移住して1か月というホステルのスタッフさんには金沢暮らしの楽しさを聞いて、この日行われていた「百万石まつり」の大名行列をロビーから一緒に眺めたりしました。そう、はからずもこのホステルは絶好の見物場所だったのです。

「百万石まつり」、私は旅の計画を立てている途中で気づいた催しでしたが、地元では年に一度の盛大なお祭り。旅の数日間は、このお祭りのおかげで市内が大賑わい。市内の各地で関連イベントが開かれていたり、歩道や神社前にはたくさんの出店が出ていたり。浅野川での灯篭流しの様子や、その周辺を提灯片手に練り歩く子どもたちの姿も見られました。もしかしたら日常の金沢とは少し違う、特別な雰囲気、非日常的な雰囲気だったのかもしれないけれど、地元の人たちの楽しそうな様子をたくさん見かけられたのは、本当にラッキーだったと思います。

 

(金沢旅、続きます)

From Hem

チャウドックへ

一週間のベトナム滞在中、ツアーと共にメコン川流域の地、An Giang(アンザン)省の Châu Đốc(チャウドック)という場所に行ってきました。一泊してツアーはここから船でカンボジアの首都プノンペンへ移動、私はひとりホーチミンへと引き返したのですが、このチャウドックのことを少しだけ記録しておこうと思います。

ホーチミン市の中心部を朝7時30分に出発、途中の休憩をはさんで、14時過ぎには目的地であるチャウドックのホテルに到着しました。数年前まではもっと時間がかかりましたが、道路が整備されたおかげ少し短縮されました。道中、アンザン省に入ったばかりのあたりで、車のドライバーさんの紹介でとある食堂にて昼食をとることになりました。ドライバーさん曰く「この店に来たことがないということは、アンザン省に来たことがないということだ」というほどの有名店だそう。お店の情報は下記のおしぼりに記載されています~。

P_20170302_121121

P_20170302_120907

外国人グループは我々だけでしたが、店内は地元の人々、あるいは国内旅行風の人々でとても賑わっていて、熱気に包まれていました。ただし「熱気」の理由は人の多さだけではなく、実はここは、アンザン省名物の「Lẩu mắm(ラウ・マム/発酵魚鍋)」が美味しいと評判の店だったのです。暑い土地で汗を流しながら食べる鍋というのもまた悪くありません(食いしん坊)。ちなみに mắm(マム)という単語、nước măm(ヌォック・マム/魚醤)でも使われベトナムではよく耳にしますが、川本邦衛先生の『詳解ベトナム語辞典』には「ベトナム風塩辛(小魚を塩と炒り米の粉の中に漬けて発酵させた食品)」と書いてありました。さてその鍋ですが…

P_20170302_122045

なんとも言えない、闇鍋感!(笑)うなぎのブツ切りがそれを助長しているのですが、上述した「マム」が使われているためにかなり独特の匂いもあって、メンバーの中には顔をしかめる人も。気持ちはよくわかります、でも私は過去の経験から知っているのです、この鍋が美味しいことを!こんなに魚介たっぷりなんだから美味しくないはずはなく、実際に食べてみると、いろんな味がうまい具合に調和していて絶品!ドライバーさんがオススメしてくれるのも納得でした。

P_20170302_120856

鍋には魚介の他にたっぷりの野菜を入れて一緒に煮込みます。個々のお椀には Bún(ブン/米麺の一種)を盛り、  そのうえに鍋の具材を取って食べるのがベトナム風。だんだんと、匂いさえも気にならなくなる美味しさなのですから不思議です(ドリアンと通ずるところがありそうな…)。

P_20170302_151208

P_20170302_151219

鍋をいただいてからさらに1時間ほど車で走り、無事にチャウドックに到着。写真は宿泊したホテルのテラスから撮ったものです。川の上に住まう人々の暮らしが垣間見え、この地域ならではの風景が広がっていました。何度も来ている場所なのですが、来るたびにやっぱり好きだなと思います。つい、ホーチミンの喧噪と比較してしまうのかもしれません。

P_20170302_153026

今回は束の間の滞在でしたが、ベトナムのあちこちの土地に行けるのはいつまでたっても嬉しいことです。私はカンボジア行きの船には乗りませんでしたが、水路で国境を超えるってものすごく浪漫があるなぁと思います。日本にいたらなかなか味わいにくい「国境」という概念に、少し思いを馳せてみたひとときでした。このテラスで飲んだサイゴンビールの味といったら。

From Hem