十月の装丁

気づけば10月。時の流れの速さに驚きます、と、毎月言っているような気がします。10月は好きな月。夏から秋に移りゆく季節が、一年でいちばん心地よいです。ホーチミン暮らしをしていたころ、10月になっても安定して暑いにもかかわらず、内面的には不思議と秋の愁いを感じていました。唯一ちょっと日本が恋しくなるのがこの時期でした。

p_20161007_052115

今朝、めずらしく散歩へ。5時に家を出たら、なんともお空がきれいな予感。近所の、まだ多くの店がシャッターが閉めたままの商店街を歩きます。人影もほとんどなくて、24時間営業のコンビニの以外に、肉屋さんと魚屋さんには灯りがついていました。寿司屋さんの前からはお酢の香りが漂って、新聞配達のお兄さんが自転車で駆けてゆきました。住んで1年半近くなる土地の、ほぼ毎日通る商店街なのに、早朝の様子を知らなかったことに気づきました。

p_20161007_060152

だんだん空が明るくなってきて、帰宅した6時頃には、まるで何かのご褒美みたいな朝焼けが。今日はもうこれだけで、きっといい一日。と思ってしまう単純な私です。10月はやっぱり、好きな季節です。

ちなみにタイトルは大好きなharuka nakamuraさんの「四月の装丁」になぞらえて。素敵な曲名だなぁと思っています。彼の音楽は10月が似合うなと、今朝も散歩しながら聴いていました。「四月の装丁」はネット上では聴けないようなので、同じアルバム『音楽のある風景』に入っている「音楽のある風景」を貼りつけておきます。こちらもヘビロテです。

From Hem

帰国しました

ホーチミンを朝6時10分に出発するベトナム航空の早朝便で帰国。初めての利用。キャンペーン価格のチケットのため、選ぶこともできずこの便にしたけれど、よく考えたら4時には空港にいなければならない。ということは3時半頃には家を出るわけで、そんな時間に大家さんを叩き起こして鍵を開け閉めしてもらう度胸もなければ、真っ暗ななかでタクシーを捕まえる自信もなく、日付をまたいだ頃には大家さんに別れを告げ、かなり早めに家を出た。「次来るときも、空いていればうちに泊まってね」と言ってくれた。嬉しかった。

p_20160916_020949

深夜のタンソン二ャット空港には、全然人がおらず。電気が半分消されたカフェの片隅でパソコンをカタカタ、残務処理。ベトナムにいても、日本にいても、良くも悪くも自分は自分でしかないことを思い知らされた今回の滞在。空港で事務作業をする計画性のない私も、やっぱり私。とほほ。眠気に抗えずパソコンを閉じ、空港のベンチに横たわって仮眠。数年前までよく利用していた格安の乗継便で、待機中の上海の空港に並んだベンチの上に、エアコンの寒さに凍えながらもぐーすか寝ていた自分をふと思い出した。

p_20160917_142507

東京の自室に戻る。郵便受けがチラシや請求書や明細書でいっぱいになっていた。こんな部屋だったっけ…と、不思議な気持ちで荷ほどきをする。もっと秋の様相かと思いきや、東京はまだ暑かった。とはいえホーチミンに比べれば過ごしやすい。

東京は静かな街だと思う。バイクのクラクションも、大声でおしゃべりする人々の声も、聞こえない。毎度のことだけど、この静けさに耳が慣れるまでには時間がかかる。時差ボケならぬ、喧噪ボケ? でもきっと数日経てば、東京暮らしの感覚が戻ってきてしまう気もする。

ベトナム語を教える仕事が再開。やるべき仕事があるというのは、有り難いことだと思う。この教室では北部発音で教えることになっているため、ヤーをザーと言い、ローイをゾーイと発音する。すっかり南部発音に戻っていた自分には、かなり意識しないと難しかった。「おかえりなさい」と迎えてくれた受講者さんたちに、お土産の月餅(Bánh Trung Thu)を味見してもらった。反応が微妙だったのは、言うまでもない。

「日常に戻る」という言い方があるが、ホーチミン滞在も、東京暮らしも、どちらも私の日常であったらいいなと思う。

From Hem

『ひかりのすあし』展

ピアノのお仕事をしているご友人Uさんが、なんと下駄職人デビュー!?という情報を聞きつけて、神楽坂のKANNO TEXTILEさんで開催中の『ひかりのすあし』展に行ってきました。インドやウズベキスタンの布でお洋服や雑貨を製作しているKANNO TEXTILEさん、その端切れを使ってUさんが鼻緒をつくり、このたび素敵な下駄たちが誕生したのでした。

IMG_20160721_222808

下駄って、思えば初めて履いてみたのですが、とてもしっかりしたつくりで安定感抜群。手仕事ならではの細かさで鼻緒の裏地にも可愛らしい布が使われていて、ちらりと見えたときに嬉しくなります。思わず一つ購入(写真一番右のものです)。和装だけでなく洋装にも合わせやすいということがわかったので、この夏たくさん履いてみようと思います。

KANNO TEXTILEさんのお洋服や雑貨もとても素敵で、布への深い愛情を感じた時間、空間でした。素敵なひとときを、ありがとうございました。

From Hem

 

『博物館で野外シネマ』

uid000170_20160608183258f37509c5

今日は妹ちゃんからのお誘いで、上野の東京国立博物館で開催されたイベント『博物館で野外シネマ』に行ってきました。2014年から始まったというこのイベント、今年の上映作品は細田守監督の「時をかける少女」。今年で公開から10周年という記念に(しかも公開は10年前の7月15日だったそう)、今回野外でのイベントが実現したそうです。細田作品はどれも大好きでずっと観てきたのですが、「時かけ」が公開したのが10年前…という事実に軽い衝撃を受けました。確かに大学生の頃だったかも…と、当時の記憶も一緒にあれこれ思い出してしまいました(笑)

1468677212110

妹ちゃんが事前にチケットを買っておいてくれたおかげでスムーズに入れ私たちでしたが、入り口には当日券を求める人々の列がずらりと並び、いざ会場に足を踏み入れたら人、人、人…!前日の15日が雨天中止となってしまった影響か、本日はかなり大勢の人が来ていたようです。まるで小規模な音楽フェスのようで、会場は穏やかながらも熱気に包まれていました。

「時かけ」は久しぶりに観ましたが、ストーリーは知っているはずなのに、あの透明感溢れる内容にホロリ。途中、機材トラブルで二度も画面が消えてしまうというハプニングはありましたが(笑)、やっぱり素敵な映画なんだなぁと再認識しました。上映後には主題歌を歌う奥華子さんのミニライブもあって、これまた透明感のある歌声を堪能しました。奥さんの歌、素晴らしかったです。

普段から映画館に行くのは大好きですが、野外で観賞する機会はなかなかないので、特に夏の夜にはいいものだなぁと思いました。そしてなんとも感激したのが、この素敵なイベント、企画協力のところに「キノ・イグルー」さんのお名前があったのです。「旅する映画館」として全国各地を回り映画を紹介しているキノ・イグルーさん、実は2014年に初の海外イベントとして、ベトナムはホーチミンにやって来たのでした(ホーチミン市内のカフェVi Duさんと、カルチャースクールのOverland Clubさんの二か所で上映会を実施してくれました)。当時まだホーチミン暮らしだった私は、「日本から映画館がやって来る…?!」と興味津々で、Vi Duさんでの上映会に参加しました。今日の野外イベントのように大規模なものではなく、参加者も30名ほどのこじんまりとした会でしたが、キノ・イグルーさんの映画に対する愛や深い見識、そして紹介してくれた作品たちの面白さにすっかり魅了された一夜で、今でもよく覚えています。そんなキノ・イグルーさんが今回の「博物館で野外シネマ」にも協力されていたということで、不思議なご縁を感じてしまった私でした。

参考までに、2014年当時Overland Clubさんが掲載していたイベントのお知らせはこちら

1468677206057

この夏も、素敵な映画にたくさん出会いたいです。

From Hem

6月の紫陽花

6月になりました。時の流れの速さに驚いています。

紫陽花のきれいな季節ですね。紫陽花はベトナム語で「hoa cẩm tú cầu」(ホア・カ~ム・トゥ・カウ)と言うそうです。毎年この単語を調べています、なかなか覚えられません…(笑)

P_20160601_144841

暑さと涼しさが行ったり来たりで体の調子を狂わされてますが、6月も元気に過ごしたいなぁと思っています。

From Hem