「第8回 実用ベトナム語技能検定試験」取材記事/Vietnam+より

先日、東京で開催された「第8回 実用ベトナム語技能検定試験」に参加してきました。第8回にしてようやく、1級が初めて実施されることになったので、そのためです。出来はどうでしょう…リスニングでは途中集中力が欠けてしまったり、筆記でもわからなかった単語が多く、特に並べ替えは非常に難しく感じたので、あまり自信はありません。とはいえ、こうして自分の力を試せる機会が毎年あるというのは有難いことだなとあらためて感じました。

試験の翌日、その様子がベトナム語の記事になっていると教えていただき閲覧したところ、1級の会場を撮影した写真に自分もしっかり映り込んでいて笑いました。せっかくなので(?)その記事に何が書いてあるのか、勝手に翻訳させていただこうと思います。以下、木村による日本語訳文のみを掲載しますので、原文が気になる方は Vietnam+(ベトナムプラス)の元記事をご覧くださいませ。青字の差し込みは木村による注釈、補足などです。

※元記事(ベトナム語)はこちら

なお、試験の正式名称は上述の通り「実用ベトナム語技能検定試験」なのですが、今回の記事には “Kỳ thi năng lực tiếng Việt” =「ベトナム語能力試験」とあるため、以下の日本語訳文ではこれを踏襲します。予めご了承くださいませ。

※試験の公式サイト(日本語)はこちら

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ベトナム語能力試験、最高レベルが日本で初実施

今年のベトナム語能力試験は日本全国各地から多くの申し込みがあり、46地域のうち40地域から受験者が参加した。

2025年06月15日 22時13分 

グエン・トゥエン – ファム・トゥアン


〔写真のキャプション〕1級の試験会場でリスニング問題に集中する受験者たち(撮影:グエン・トゥエン/ベトナム通信社)


6月15日、日本東南アジア言語普及交流協会は、首都東京の日本外国語専門学校にて、第8回ベトナム語能力試験を実施した。

ベトナム語能力試験は6段階に分かれ、一番低い級はベトナム語入門レベルである準6級、以降6級から1級までのレベルが続く。6級は受験者数が229名と最も多く、次いで5級が214名だった。(注:準6級も独立した1つの級なので、正確には「7段階に分かれ」だと思います。)

特に(補足:今年は)ベトナム語能力試験では初となる1級が実施され、41名が受験した。

さまざまな年齢層の受験者、合計917名が日本各地から参加した。受験者の平均年齢は約38歳で、うち最年長は84歳、最年少は8歳、共に準6級を受験した。

ベトナム語能力試験の合格率は年々上昇している。各級の平均合格率は、初回では16.7%のみだったが、2024年にはおよそ52.63%に達した。

今年の試験には日本全国各地から多くの申し込みがあり、46地域のうち40地域から受験者が参加した。

受験者は千葉、埼玉、神奈川、長野などの東京近郊や、日本の最北端と最南端である北海道、沖縄からも参加した。

遠方からの受験者は、その多くが6月15日の朝に東京に着く新幹線を利用して参加した。なかにはベトナムで仕事をしながら、受験のために帰国したという受験者もいた。


〔写真のキャプション〕受験票を受け取る受験者(撮影:グエン・トゥェン/ベトナム通信社)


例年と同様、少なくない受験者が、大学でベトナム語を専攻する学生やベトナム語通訳者といったベトナム語に関連する学業や職業に就いている。

また、多くの受験者がベトナム人の家族や友人がいたり、ベトナム訪問を機にその国や人、なかでもベトナムの魅力的な料理を好きになり、ベトナム語を学ぶようになったと話す。

ほとんどの受験者が、ベトナム語の試験で最も難しいのはリスニング問題だと言う。しかし、1級受験者にとっては文法や読解の問題こそが一番難しい。ベトナム語がハイレベルに達すると、受験者はリスニングでは多くの困難に直面しなくなると言えそうだ。

日本東南アジア言語普及交流協会の藤野雅嘉会長は、ベトナム語能力試験で初となる1級の開催に喜びを表した。

会長によれば、以前から1級の開催を望む声があったが、試験において1つの級を実施するには一定数の受験者を確保する必要があるが、その当時の協会では実施できなかったと言う。

試験の合格者数は年々顕著に増加し、第8回にして1級を実施するのに十分な受験者を確保することができた。

3級を受験した糸島市役所職員のオノザワヒデキさんは、自分が暮らす市には日本語を学ぶベトナム人技能実習生が非常に多く、彼らが市役所に手続きをしに来た際、彼らをサポートするためにベトナム語を使いたいと話す。

彼は、友好的で、いつも笑顔で歓迎してくれるベトナムの人々への愛情を示した。


〔写真のキャプション〕3級受験者のオノザワヒデキさんはベトナム通信社のインタビューに答えた(撮影:グエン・トゥェン/ベトナム通信社)


3級の受験者でホーチミン市で働くコイケユウスケさんは、ベトナムに15年間暮らし、ベトナム人の妻がいる。彼にとって、ホーチミン市は冬のない暖かい気候で暮らしやすいそうだ。

1級を受験しに静岡から来たタケナカさんは、ベトナムに24年間暮らしたことがある。彼はベトナムの文化がとても好きで、ベトナム人とよりたくさんコミュニケーションを図るために頑張ってベトナム語を勉強してきた。

1級を受験しに愛知から来たフクシマさんは、ベトナム語を5年間学び、ずっと独学だったと言う。彼はベトナム語学習にインターネット、特にChat GPTを活用してきた。

彼は、ブンダウマムトム(細い米麵のブンや揚げ豆腐に発酵させた海老の味噌ダレを付けて食べる料理)、マムルォック(小海老を発酵させた調味料)、ネム(揚げ春巻き)といったベトナム料理が大好きであること、パクチー、ミントなどの各種香草も印象的であることを興奮気味に語ってくれた。

日本東南アジア言語普及交流協会のベトナム語能力試験は、日本におけるベトナム語の標準化と普及を目的として毎年実施されている。(補足:元記事には “chuẩn hóa” =「標準化」とありますが、試験の公式サイトを拝見すると、「検定概要」のページに『日本東南アジア言語普及交流協会は、ベトナム語の普及と学習水準の向上を目指し、加えて標準的なベトナム語の運用能力を公平かつ公正に評価・認定するべく、日本で最初に「実用ベトナム語技能検定試験」を実施しました。』という記載がありました。)

協会は、ベトナム語を学ぶ日本人が自身の能力を確かめるのに適した場を提供するため、Covid-19の影響で実施できなかった2020年を除いて毎年試験を実施している。

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