2025年夏 ホーチミン旅の記録 | (終) 街に佇みたい

数日のホーチミン滞在。あっという間に終わってしまいましたが、一つひとつの場面や機会はとても濃密で、貴重な時間を過ごすことができました。

会いたかった友人達との再会のほか、私が現地で具体的にしたかったこと、実際にできたことなどは、これまでの記事に綴った通りなのですが、実は心に決めていた、全日程を通した大目標のようなものがありました。それは「街に佇む」こと。道端のカフェでコーヒーを飲みながら、街や公園を歩きながら、目の前に広がる風景をゆっくりと眺め、観察する。そんな時間をたくさん作れたらいいなという思いが強くありました。

今になって振り返ると、この大目標を十分に達成できたと、自信を持って言うことはできないのですが、それでも折に触れては、街の一部になるような気持ちで、じぃっと目の前のことだけに集中する時間を持てたように思います。傍らには甘くて美味しいベトナムコーヒーがあり、大好きなベトナム語と明るいクラクションの音が飛び交う喧噪に身を置きながら、こうしたひと時こそが最高の贅沢なのだと感じることができました。

外国人である私が、一人で、安心して佇ませてもらえる。それはかつて住んでいたからとか、言葉がある程度話せるからとか、そういう理由も少しはあるのかもしれませんが、それらを差し引いたとしても、ホーチミンという街とそこに暮らす人々の寛容さに、多くの部分を助けてもらった気がします。その恩恵を受けっぱなしになるのではなく、今回の滞在で得たものを、今後の仕事に還元していけたらと思う次第です。

そして今回達成できなかった諸々は、すでに次回の渡航へのモチベーションにもなっています。次回はついに子と一緒に行くことになるかもしれず、期待と不安が入り混じりますが、これもまた一つの新たな挑戦と、楽しみにしています。

長い日記となりました。最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

(旅の記録、おわります)

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