今日のベトナム語~ご出身は?

昨日、とある通訳のお仕事がありました。詳細は書けないのですが、私は立場的には日本人の方に帯同して、ベトナム人の方に会いに行きました。おふたりは初対面だったので、自己紹介から始めましたが、わりと早い段階で、日本人の方が「あなたのご出身は、ベトナムのどちらですか?」と尋ねました。実は私は、この質問が投げかけられたことがとても嬉しかった。主に二つの理由からです。

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一つは、私自身が知りたかったから。

私はベトナムの方にお会いするときに、「この人はベトナムのどこの出身なんだろう」ととても気になります。いや、日本人でも何人でも、国籍を問わず気になるのですが、ベトナムの方々に特に尋ねてみたくなるのは、その発音やイントネーション、単語の地域差が、その人が口を開いた途端に顕著だからかもしれません。日本でお会いするベトナムの方は割合的に北部出身の方が多いと感じますが、昨日のお相手もハキハキとした北部発音で話す方で、どこから来たのかな…と心の中で気になっていました。ただ通訳者という立場上、自分から勝手にそれを聞けずにいました。

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もう一つは、私の隣にいる日本人の方が、目の前の相手に関心を寄せていることが伝わってきたから。

相手の出身地域がわからなくても、仕事上の話はできる状況でした。それでも、そのひとつの質問があったおかげで相手は笑顔になり、素直にいろいろな話をしてくれて、やはりベトナム北部地域のご出身だということがわかりました。その日本人の方とは、私はこれまで何度か一緒にお仕事をさせていただいていたのですが、その過程において、通訳者である私にも、ベトナムという国や人々についてたくさん尋ねてくれていました。コミュニケーションの第一歩は、相手に関心を持ち、それを表現すること。そのことを久しぶりに目の当たりにできた、貴重なひとときでした。

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「あなたはのご出身はベトナムのどちらですか?」

このフレーズを私は、Quê của bạn ở đâu? (クエ・クーア・バン・オー・ダウ)と訳しました。直訳は「あなたの故郷はどちらですか?」 出身地について尋ねたいとき、ベトナム語でももちろんいくつかの表現ができるはずですが、私の経験上「故郷」=quê (クエ)という単語を用いるのが一般的であり、スムーズであるという印象です。このフレーズに私が少しのノスタルジーを感じてしまうのは、「故郷」という単語を用いた感傷的な歌が、ベトナムには多いからかもしれません。

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