お寺で迎える旧正月 南和寺訪問記

Chúc mừng năm mới!

1月28日(土)は旧暦の元旦。ベトナムでもお正月(テト)を迎えました。家族や友人たちとゆっくりとお正月を楽しむ現地の友人たちの姿が目に浮かんでいます。

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昨日1月29日(日)は、埼玉県越谷市にあるベトナムのお寺、南和寺Chùa Nam Hoà)で開催されたテトのお祭りに参加してきました。昨年初めて訪問してみたこの催しでしたが、日本では滅多に経験できない貴重なものだと実感し、今年はベトナム語を勉強しているお仲間と総勢6名で行ってまいりました。

*昨年の訪問記は以前のブログに綴っています。

越谷駅にお仲間と待ち合わせをしていると、改札やバス停付近にベトナム人の若者グループがわいわいと集っていました。皆さんやはり南和寺へ向かう様子。艶やかなアオザイを着た女の子もいました。

駅からバスに揺られること約20分、お寺に到着。晴天に恵まれてとても暖かく、すでに100人近い?もっとかな?の在日ベトナム人の皆さんで賑わっていました。お線香をたて、熱心にお祈りする人の姿も多数見られました。一緒に参加したお仲間のひとり、ベトナム人のTさんが「このお寺は南部風のお寺ですね。私は北部出身なので、少し不思議な感じがします。しきたりもよくわかりません…」と言っていたのが印象的でした。

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11時になると屋内でお経を読む時間がスタート。少し覗いてみましたが、なかなかベトナム語の仏教用語は理解できず、時折聞こえる”Nam Mô A Di Đà Phạt.”(ナム・モ・ア・イ・ダ・ファッ:南無阿弥陀仏)が精いっぱいでした。この後お経は1時間近く続いていましたが、皆さんとても熱心に、とても集中して唱えていました。

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別の部屋に移動して、離れたところから聞こえるお経をバックにBún riêu(ブン・リェウ:トマトベースで作る米麺の一種)をいただきました。お肉や魚介を一切使っていない精進料理とのこと、素朴な味でとても美味しく、体に染み入りました(ちょこっと加えてみた唐辛子は激辛でした)。この部屋で、昨年も同じこのテトのお祭りでお話させていただいた何人かの方との再会を果たせました。覚えていてくださったのが、純粋に嬉しかったです。

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麺とあわせていただいた、Bánh da lợn(バイン・ヤー・ロン:パンダン×ココナッツ、緑豆×ココナッツの二層の生地を重ねて作るスイーツ。

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「豚(lợn)の皮(da)のお菓子(bánh)」という面白い名前)、それから、Chè(チェー:ぜんざい)。これがどちらも適度な甘さで本当に美味しく、ベトナムの味だぁ…と妙に感慨深くなってしまいました。一緒に食べていたTさんも、「日本にあるどこのベトナム料理レストランよりも、このチェーが美味しい」とほっこり笑顔になっていました。

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12時頃に読経が終わり、野外の広場でパフォーマンスが行われる段になりました。最初はピンクのアオザイを着て花飾りをつけた女の子たちによるダンス。写真だと遠くてちょっと見づらいのですが、とても可愛らしかったです。

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カウントダウンで盛大に爆竹を鳴らした後には、色鮮やかな獅子舞が。前にひとり後ろにひとりと、人間ふたりで一頭を操るのですが、この派手な演舞を私が現地で見ることができたのは、旧正月と中秋節の年2回くらいでしたから、それをこうして地元埼玉で見ることができるのって、すごい! 観衆の皆さんも大盛り上がりでした。

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この Ông địa(オン・ディア:土地の神様)が獅子舞を操り、陽気に場を盛り上げていました。ちゃっかり観衆から lì xì(リー・シー:お年玉)をもらっていたのが可笑しかったです。

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パフォーマンスの後には、昨年はなかったベトナム書道のコーナーも登場していました。ベトナムには世界的にも珍しい、アルファベットによる書道が存在しています。この旧正月のタイミングで、一年の抱負や、心にとめておきたい一文字などを書いてもらう習慣があるのです。

昨年の感じだと、この後は恒例の?カラオケタイムに移行したと思うのですが、私はここでお先に失礼することになりました。わずか2時間ほどの滞在でしたが、今年もまた、日本にいながらにしてベトナムを感じることのできる、とても貴重な体験をさせていただきました。あたたかく迎えてくれたお寺の皆さん、一緒に参加してくれたベトナム語仲間の皆さん、お寺にて楽しい空間と時間を共有させてもらった皆さん、ありがとうございました。今年に入って二度目のご挨拶ですが(笑)、あらためて、皆さんにとって素敵な一年になりますように。

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