
6月になりました。これを書く今は、台風の影響を受けて仕事がひとつキャンセルとなり、自宅で強い雨音を聞いています。どうかみなさまご安全にお過ごしください。
以下に5月を振り返ります。いつもより少々長めかもしれず、ご了承くださいませ。
仕事
・翻訳校正:とある調査結果の越日翻訳を行いました。最近では、クライアントや翻訳会社がすでにAIで翻訳したものを、私が精査し、必要に応じて翻訳し直すという方法が増えてきましたが、今回もそうでした。AIに頼りながらの翻訳作業は、今後も増加の一途をたどるはずで、自分がどういうスタンスで臨み、自分には何ができるかということを、さらにしっかりと考えていかなければと思いました。このほか、AIを利用しない校正作業としては、エネルギー関連、試験案内などがありました。
・学習相談室:定期的にご受講いただいている2名様へのレッスンと、ご新規1名様への単発レッスンを行いました。
ご新規の方との間で、「語学学習は時に孤独だ」というお話がありました。わからないことを、身近なネイティブ話者に尋ねることはできるし、今ではテキストもネットの情報も多い。けれど、「ことば」という広い海の中で、時に泳ぎ方を忘れてしまい、何を自分に手繰り寄せ、何に確信を持てばいいのか、わからなくなるときがあります。私もそうです。自分はある程度ベトナム語を理解できたようでいて、実はまだ何一つ掴めていないのではないか…と不安に駆られることがしばしばあります。こうした不安は、確かになかなか共有しにくいもので、やっぱり自分が引き受けるしかないと思います(語学学習に限った話ではないですね)。
当学習相談室は、そんな不安や孤独を感じるときに、ベトナム語学習における「浮き輪のひとつ」になれたら嬉しいなと思っています。ベトナム語に対して、私も決して絶対的なことは言えるわけではありませんが、経験や培ったものを共有し、学習者様のプロセスに伴走させていただいて、苦しさを楽しさに変換していくお手伝いができればと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
・通訳:司法通訳として、新規刑事事件の通訳を担当しました。またコミュニティ通訳として、市内小学校にてベトナム人保護者の方との面談に参加しました。
・日本語指導:4月に引き続き、市内いくつかの小中学校に伺って、ベトナム人児童生徒への日本語指導を行いました。回数を重ねるたびに、学校との連携が密になり、お子さん一人ひとりの個性も見えてきて、自分が今どんなことを求められているのか、少しクリアになってきた感覚があります。模索は続きますが、邁進していきたいです。折を見て一度、この仕事について別記事で記録してみたいと思っています。
その他
【哲学ウォーク】
哲学カフェ「すみっこやまなし」さんが、得居千照さん(静岡教育大学講師)と共に企画された特別イベント「哲学ウォーク in 芸術の森公園」に、5歳息子と参加してきました。哲学ウォークを一言で表すと、「ある問いを携えながら外を歩き、観察し、その問いの答えとなりそうな場所で立ち止まり、発表する、そして参加者からさらに新たな問いをもらう」といった感じでしょうか。私も初めてで、実際はどんな雰囲気になるのだろう?とワクワクしながらの参加でした。
☆すみやまさんによる過去回のレポートはこちら。当日のプログラムなどが詳細に書かれていて、「哲学ウォークとは?」をよりイメージしていただけます。
☆芸術の森公園はこちら。季節ごとに違う顔を見せてくれる素敵な場所ですが、この時期は薔薇が咲き誇っていました。
「アート」がお題となったこの日、参加者それぞれがカードに問いを書き、ランダムに問いを引くところからスタートしました。息子が引いたのは「人はどうして絵を描くのか」。難しいけど面白そう…!と、これを携えて芸術の森公園に繰り出すことになりました。(ちなみに私も別の問いを引いたのですが、内容が盛り沢山になってしまうので、割愛します。)
歩き出して束の間、早速「ストップ!」の声が上がり、問いと答えの披露が始まりました。グループから離れ、マイペースに薔薇園や芝生を駆け回る息子と、視界の端で我が子を捉えながら、哲学ウォークの感覚を掴むのに必死な私。大丈夫かなぁ…と一抹の不安がよぎりましたが、近くに戻ってきた息子に「問い」について尋ねてみると、「ばらのしるをしぼってかく」「はっぱでかく」「じゅえきでもかける」という回答が。息子はどうやら、問いを「人は『どうやって』絵を描くのか」と解釈したようで、走りながら、彼なりにその問いに向き合っていたようでした。そうかぁ、素敵じゃないか…!と静かに感動し、このことをきっかけに私も肩の力が抜け、参加者のみなさんの発話にゆったりと耳を傾けられるようになりました(良きタイミングで息子と発表もさせていただきました)。
「美術とは?」「美しいと美しくないの境目?」「おしゃれって?」など、みなさんの「問い」に刺激をいただき、頭に柔軟性が戻ってきたような感覚を得たところで、あっという間の終了時間。広い敷地内をたくさん歩いたはずでしたが、疲れは全く感じませんでした。参加前は「みんなでワイワイお喋りしながら歩く」をイメージしていたのですが、哲学ウォークでは「静かに歩く」のもルールのひとつだそうで、その点がとても新鮮でした。普段、ハイキングなどの場面ではつい内省的になってしまい、思いのほか景色や会話を味わえない私ですが、今回は「問い」のおかげで意識が外に向き、緑豊かな情景やみなさんの発した言葉をよく覚えていて、今でも余韻に浸っています。


【アナログ画】
同日の夜、すみやまさん、得居さんと、onogacoe美術教室さんとのコラボによる「アナログ画」のワークショップにも、息子と参加させていただきました。「アナログ画」は、パステルを使い、色を重ねていくことで自分の感覚を表現する臨床美術の手法だそう。大切なのは「正解はない」「上手い・下手はない」ことで、この点に大共感しての参加でした。
今回のテーマは「味」。はじめに練習として「もろみ酢」「黒砂糖」を口にし、感じたことを先生の案内のもと絵にしていきました。使う色、幅、タッチの強さなどを考えながら手を動かした作品は、まさに十人十色の仕上がりで、同じものを食べても、その味わいや表現はこんなにも違うのだということが目に見えて、とても面白かったです。
本番で食べたのは「3種のクッキー」。そのうち私は「ココナッツ・バジル」を、息子は「チョコチップ」を選びました。私は食べた瞬間に口に広がったココナッツの味にベトナムを思い出し、絶大な安心感を覚え、ココナッツのイメージを前面に出した絵になりました。ですが、同じ種類のクッキーを食べた方の中には「バジルの味が強くて」と仰る方も多く、その違いと、でもどことなく似ている色づかいが興味深かったです。私の隣で製作に没頭していた息子は、「にじいろかざん」(虹色火山)という名の絵を仕上げました。チョコチップから何をどう連想したのかなと、頭の中で覗いてみたくなってしまいました。迷いなくパステルを手に取り、次々と線を描いていく姿に、朝から続く息子のパッションのようなものを感じて嬉しかったです。



☆当日の様子はonogacoeさんのinstagramにて、素敵な写真とともに投稿されています。
https://www.instagram.com/p/DY16VNhEv_t/?igsh=MzIycWh6dDFpbjJu
すみっこやまなしさん、得居さん、onogacoeさん、本当にありがとうございました!
【おまけ】
起床後に軽く散歩をしています。草花の観察が楽しい季節です。




活動記録は以上です。
大型連休にゆっくりできた一方で、それ以外は動き通したという印象の5月でした。暑さがますます厳しくなる6月も、健康第一で過ごしていきたいところです。みなさんもどうぞお体を大事に、健やかにお過ごしください。
