2023年春 ハノイ | 旅の記録

(2025年5月)本記事は、当時 Instagram に載せた複数の投稿を転載してまとめたものです。

【ベトナム旅日記① ハノイの街角】

3月末、約3年半ぶりにベトナムに行ってきました。ハノイ3日間、ホーチミン市4日間の計1週間の現地視察(という名目の旅)でした。こうして行けたことがまずはとにかく嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。

今回自分の中で、主な目標として

・友人たちに会う
・現地情報をアップデートする
・ベトナム語にたくさん触れる

を掲げていたのですが、さまざまな方のご協力やご親切、そして幸運に恵まれて充実した時間を過ごせ、目標を達成することができました。お忙しい中会ってくださった方、現地情報を提供くださった方、本当にありがとうございました。無事に帰国し日常に戻った今、本アカウントでは少しずつ今回の滞在を振り返っていこうと思います。

まずはハノイの街角風景から。

2019年12月以来の訪問でしたが、3月のハノイがすでにこんなに気温と湿度が高いとは知らず、その蒸し蒸しとした空気に最初は体が驚きました。

ホーチミン市と違って土地勘があまりないため、今回もなんとなく地理のわかるホアンキエム湖周辺に滞在。変わらぬ美しい景色にまずはほっとした気持ちになりました。人々はもうほとんどマスクをしておらず、街には活気があり、一見コロナ以前の生活に戻っているように私の目には映りました(もちろんまだまだそうではない部分も多いかもしれません)。一方、コロナ禍で急速に普及したというデリバリーやオンライン決済のあまりの便利さに圧倒され、日本以上に進んでいる印象を受けました。

大聖堂を眺めながら久しぶりに飲んだベトナムコーヒーの美味しさと懐かしさを、しばらくは忘れられない気がします。

【ベトナム旅日記② ブックストア】

以前何かで見かけて、今回の滞在中に行ってみたかった場所の一つ、ブックストリート。ベトナム語では “Phố sách Hà Nội 19/12” とか “Phố sách 19/12” と呼ぶそうです(12月19日通りにあります)。

約200mの通り内に小さな書店がいくつも並び、他にも雑貨販売コーナー、遊び場、カフェ、イベントステージなどがあり、緑も豊かで居心地のいい雰囲気でした。

書店を覗いてみると、全体的に児童書や、ティーンエイジャー向けの小説やエッセイが多い印象。ある書店では保護者向けの子育て本、しかも日本の書籍から翻訳されたものが多数置かれていて驚きました。写真はその一部です。帰国後に日本語版のタイトルを検索してみて、比べるとこんな感じに。

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①上段左
監修:堤ちはる 料理:新原恵子
「いちばんやさしいきほんの離乳食」
(成美堂出版 2010年)

越題:Ăn dặm kiểu Nhật
⇒仮訳「日本式離乳食」

②上段右
横山浩之 漫画:明野みる
「マンガでわかるおうちのルール:
小学校入学までに身に付けたい45の習慣」
(小学館 2017年)

越題:Cùng con rèn nếp sinh hoạt
 45 quy tắc dành cho trẻ mẫu giáo
⇒仮訳「子どもと一緒に生活習慣を身に付けよう
未就学児のための45のルール」
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一方、訳書ではなく、ベトナム人著者による子育て関連書籍もありました。

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③下段左
Thạc sĩ Nguyễn Ngọc Ái Quỳnh (Mẹ Mía Măng)
“Làm ba mẹ bắt đầu từ đâu?”
⇒仮訳「親になるのに何から始める?」

④下段右
Hà Chũn
“Bữa ăn và giấc ngủ
Cẩm nang chăm sóc bé sơ sinh”
⇒仮訳「食事と睡眠 新生児ケアハンドブック」
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実は少し前に、地元で地域保健センター主催のベトナム人妊婦さん向けの集まりがあり、通訳として参加させていただいたのですが、専門的な語彙が足りず苦戦した場面があり、強く反省したことがありました。この反省からちゃんと勉強したいと思った矢先だったので、嬉しい巡り合わせでつい何冊も購入してしまいました。こうした子育て本がベトナム語でどんなふうに、どんな語彙を使って書かれている(訳されている)のかはとても興味深いです。これを機に精進しようと、決意を新たにしたハノイ滞在でした。

【ベトナム旅日記③ 電車初体験】

ハノイでぜひ体験したかったこと。2021年に開通した電車、ハノイ都市鉄道 Đường sắt đô thị Hà Nội の2A号線に乗ること!

計画では将来的に全8路線が整備されるそうですが、現在稼働しているのはまだこの2A号線(高架線)のみ。その走行距離は8kmと限定的で、現地の友人曰く「体験したくて一度は乗ったけどそれ以降は…」。たまたま沿線に住んでいる方々は良いかもしれませんが、そうでない人にとってはまだまだ実用的とは言えなさそうでした。

友人たちに付き合ってもらい、始発の Cát Linh 駅から 5駅先の Vành Đai 3 駅まで体験乗車を。この区間で運賃は1万ドン。切符はカードタイプで、降車駅の改札で回収されました。

ホームに上がるとちょうど電車が止まっていて、早速乗り込みました。我々以外にも記念撮影している人の姿。土曜日だったからか、それなりに乗客が(しかもお子さん連れが)多かったです。

高架線の車内からハノイの街並みを眺めるのはなんとも不思議な感覚で、「ベトナムに電車が…本当に走ってる…」と圧倒されっぱなし、気づいたら目的地に到着していました。ホームの表示を見ると、10分に1本くらいの間隔で動いている模様。時刻表ではなく「あと何分で来ます」という表示なのが新鮮に感じましたが、そういえば路線バスも同様ですね。

ハノイだけでなく、ホーチミン市でも建設中の都市鉄道。例えば10年後には、どんな様子が見られるのでしょうか。

【ベトナム旅日記④ ハノイおいしいもの巡り】

ハノイでは2組4人の友人に会えました。ハノイのお店に疎い私が、たくさんの美味しいごはんに出会うことができたのは彼らのおかげです。本当にありがとう!

なかでも印象的だったのは、紹介してもらった Bếp Quán (số 10 Thợ Nhuộm, Q. Hoàn Kiếm) で食べた、写真1枚目のエビ料理。メニューには “Tôm chiên hạnh nhân kèm sốt trà xanh”とあり「エビのアーモンド揚げ、緑茶ソースを添えて」という感じでしょうか。これがもう美味しくて美味しくて、今でも口の中で味を思い出せます。こちらのレストランの料理はどれも繊細な味でした。また行きたい~!

そしてもう一つ、友人宅にお招きいただいたときの家庭料理。早朝から市場に買い出しに行って準備をしてくれたとのことで、嬉しいのと美味しいのとで、心もお腹も満たされました。どれも、シンプルなように見えて複雑で豊かな味付けと、日本ではあまり組み合わせない?具材のチョイスが絶妙でした。友人の見事なパイナップルさばきにも釘付け。そういえば、床+ゴザでの食事も久しぶりだなぁと感慨深かったです。

弾丸だったけど、たっぷりと堪能できた滞在でした。そんなハノイに後ろ髪引かれながら、再び Vietjet に乗っていざサイゴンへ!

(ホーチミン編へ続く)

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