オンライントークイベント開催御礼

1つ前の記事で告知したオンライントークイベント「いちばんやさしい 使えるベトナム語入門を語る会」ですが、去る12月17日(土)に無事開催することができました。ご参加くださった皆さん、応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

「1人でも参加してくださる方がいらっしゃったら決行しよう」と心に決めていたのですが、告知直後から実にたくさんの方がお申込み、お問い合わせをくださり、当日は16名の方がご参加くださいました。そのことがまずとても嬉しく、ありがたく感じました。16名の中には昔から知っている方も、今回が初めましての方もいらっしゃいましたが、みなさんに共通するのは「ベトナムが好き」という気持ちだったと思います。誰も「好き」という言葉は使っていないのに、そのことがヒシヒシと伝わってくる、そんな時間を過ごせたような気がして、何よりも貴重でした。そしてベトナム語既習者の方が抱える共通の悩みや困難も浮き彫りになり、あらためてベトナム語の難しさや奥深さを考える機会にもなりました。

少し詳しく報告すると、当日はこんな感じで会を進めました。

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●ご挨拶と木村の自己紹介

●第1部 著書紹介

・書籍概要、制作の経緯、込めた願い

・こだわりポイント①~⑥

・皆さんからのご意見、ご感想

●第2部 質疑応答&意見交換

・事前にいただいたアンケートのご質問に回答(具体的には発音のコツ、勉強法、上達の仕方、ベトナム語の活かし方、日本におけるベトナム語学習の意義など)

・さらなる質疑応答、意見交換

●写真撮影、終了

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当日の様子

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終盤には、ベトナム語のスキル的な部分だけでなく、われわれがベトナム語を学ぶ意味って何なんだろう?そしてそれをどう日本社会で活かしていけるんだろう?という話にまで及び、皆さんのご質問やご意見を通して、私自身も新たな発見がたくさんありました。

「相手を理解する」なんてことは、たとえ日本語話者同士であっても非常に難しいことです。「理解できる」「わかる」と言い切ってしまうこと自体、おこがましいんじゃないかとも思います。ベトナム語を始めた十数年前、私は「ベトナム語を学ぶことで、ベトナムの人たちと話をしたい。ベトナムのことをもっと理解したい」という思いを抱いていて、それは今でも全く変わらないのですが、今は少し当時とは違う角度からも考えられるようになった気がします。ベトナム語がわかるようになればなるほどその言語世界の深遠さに愕然とし、相手の言い分がわかればわかるほど相手がことがわからなくなるような瞬間が、日常的に訪れます。そして自分との違いに打ちのめされてしまうことも。だから、ベトナム語がわかればベトナムの人のことがわかるなんてことはないし、なくて当然です。それでも、私にとってベトナム語は希望であり、期待であり、大きな取っ掛かりなのです。ベトナムという自分が大好きになった場所や、「ベトナム人」という括りでではなく「○○さん」という名前のある個人に、私なりに真摯に向き合うための。言語はコミュニケーションツールでもあるけれど、その人そのものでもあるから。その人を形成する大切な骨子で、思想で、表現だから。

これからもそんなことを大切にしたくて、ベトナム語の仕事を続けているのかもしれません。今回のトークイベントを通して、大切なことを思い出せたような気がしました。あらためて、ご参加の皆さんに感謝申し上げます。

来年以降も時々こうしたイベントをやっていけたらいいなと、鋭意計画中です。お知らせできる段になりましたら、本サイトやSNSなどで告知しますので、そのときはどうぞよろしくお願いいたします。最後になりますが、間もなくやってくる新年が皆さんにとって素晴らしいものとなりますように願っています。まだまだコロナへの心配も尽きませんが、どうぞお体ご自愛ください。

木村友紀

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