前回の記事を書いてふと思い出したのが、値段表示のこと。ホーチミン市のお米屋さんでは印字されたものを使っていましたが、カントーのお米屋さんでは手書きでした。

手書きの値段表示はなんだか味わい深くて、記憶に残るものがいくつかあります。例えばこちら。

在住時に暮らしていた家の近くに、朝だけ出る市場がありました。写真はその市場にて、人の波をバイクでかき分けながら、ゆっくりと進むオレンジ屋さん。Cam sành は調べると「キングオレンジ」とも呼ばれ、マンダリンの仲間であるとのこと。その下に「15.000」という値段表記がありますが、ゼロの中に「2 ký」の文字も(ややぼやけていて定かではないのですが、「2 ký ký」と書いてある?)。なんだか茶目っ気のある書き方で、しかも1キロ単位じゃないんだと、当時新鮮に感じてシャッターを切りました。
ちなみに、日本では桁区切り点にカンマを使いますが(15,000)、ベトナムではピリオドを使います(15.000)。逆に小数点では日本がピリオド使用(2.5)、ベトナムがカンマ使用(2,5)なので、最初は混乱したものです。

もうひとつ、手書きの値段表示で思い出されるのがこちら。統一鉄道を使ってサイゴン駅からビエンホア駅まで行った際に、ビエンホア駅のすぐ外で販売されていた御座。統一鉄道には、何十時間もかけて遠方に向かう乗客も多く、車内の床に御座を敷いて眠る姿を見かけたことがあります。そういった利用者に向けて売られているのだろうな…と想像すると同時に、「10」という数字に目を引かれました。おそらく「10.000ドン」を省略したものなのですが、このシンプルな、でも迫力のある書き方がなんだか好きでした。

最後は値段ではないのですが、手書き繋がりでこちら。確かサイゴン動植物園(Thảo cầm viên Sài Gòn)周辺の壁だったような気がするのですが、「チューイーチャイチャム」と読み、「徐行せよ」といった意味合いです。
chú ý:注意する
chạy:走る
chậm:ゆっくりと
chú ý から始まる注意喚起の看板には、なんとなく無機質なものが多いように思うので、手書きの味わいに癒されます。そして短文ながら、ch 始まりでそろえていること、声調が sắc sắc nặng nặng で読むとリズミカルであることに、とても感激したのを覚えています。
以上
